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インプラント

Medical

インプラントとは

インプラント

インプラントとは、厳密には人の身体に埋め込む人工物のことを言います。歯科におけるインプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。インプラントはチタンという金属で出来ており生体親和性が非常に高く、人工関節などにも使われる素材です。
従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、最近ではインプラント治療を希望される患者さんも増えています。インプラントはご自身の歯に近い感覚で噛むことができます。
歯は、口の中に見える部分と、骨の中から支える歯根から成り立っています。歯を失うということは、骨の中から支えている歯根を失ってしまうということです。「インプラントと差し歯は何が違うの?」という方も少なくありませんが、差し歯は歯根が残っている状態で行なう治療であり、インプラントは抜歯が必要になった時(歯根が残せない時)に行なう治療法です。
医療の進歩により、インプラント治療もひと昔前に比べて、ずっと安全に、そして安心して治療を受けることが出来ます。

当医院では、手術時の身体への負担を抑えて低侵襲に行ないます。痛みや腫れを極力抑えられるよう様々な設備を用いて治療を行なって参ります。

当院での治療法

出来る限り安全に、出来る限り負担を少なく、出来る限り丁寧に治療を行なって参ります。保存可能な歯をしっかり治療して残す、ということが大前提ではありますが、残念ながら抜歯となってしまった場合に、インプラント治療はご自身の歯を再獲得出来る、と感じて頂ける最良の治療法です。
インプラント治療に際して、治療期間の長さ、手術に対する不安、術後の痛み・腫れなどの心配があるかもしれませんが、当院の治療は様々な技術や設備を導入して行ないますので、安全でかつ安心して治療を受けて頂けるように配慮して行なっております。

①抜歯即時埋入

抜歯即時埋入インプラントとは、抜歯して即日にインプラント治療を行なう方法です。従来のインプラント治療では、抜歯してから骨の治癒を2〜4ヵ月待ち、それからインプラント治療を行ないます。インプラント手術をしてから治癒をさらに2〜4ヵ月待つ必要があります。治療期間は半年以上かかってしまいます。
しかし、抜歯即時埋入は抜歯と同時に行ないますので、手術の回数が少なく済み、治療期間も半分で済みます。手術を受ける患者さんにとって負担が少なく、優位性が非常に高い治療法です。術前の診査診断を的確に行ない、確実な好結果となるよう努めております。

②スプリットクレスト、ソケットリフト

スプリットクレスト(歯槽堤分割術)とは、骨が痩せて細くなっている場所に骨を拡げて厚みを確保する治療法です。
ソケットリフト(上顎洞挙上術)とは、上顎の奥歯の顎骨が少ない場所に骨を作る再生療法です。2〜3ミリしか骨の厚みが無い場合でもしっかりと骨を作りあげることが出来ます。
どちらも身体に負担の少ない治療法です。使用する器材もピエゾサージェリーやハッチリーマーを用いますので、安全でかつ負担の軽減を第一に考えて治療を致します。

③歯肉弁移植

インプラント治療完了後に長期に渡り良好な状態を維持する為には、インプラント周囲に豊富な歯肉が必要です。元々厚い歯肉があれば良いのですが、歯肉が痩せて少ない場合に、周囲の組織から歯肉の移植を行ない豊富な歯肉を確保します。この歯肉移植も、身体への負担の軽減を優先して、極力すぐそばの歯肉を利用して一次手術・頭出し手術の時に同時に補います。
切開もメスは用いずエルビウムヤグレーザーを用いて、負担が少なく早い治癒を得ることが出来るよう治療致します。

④完全自己血液由来のCGF.AFG

自己血液を使用する再生療法の一つで、CGF(Concentrated Growth Factor)とは、ご自身の採血から専用の遠心分離機を用いて血漿成分を濃縮して作成されたフィブリンゲルのことです。AFG(Autologous Growth Factor)は、そのCGFに自家骨もしくは人工骨を絡めて作成されます。血液に含まれる血小板や治癒成分、自己血液のみで作成されるので安全性が極めて高く、手術部の治癒も非常に良好な結果が得られます。

インプラントのメリット

食事風景

インプラントに使われるチタンは、アレルギーも少なく、かみ合わせに耐えられる強度があります。チタンと骨が結合するのでしっかりと固定することができ、治療後は違和感がないため、天然の歯とほとんど変わらないかみ合わせを実現できます。
また、入れ歯やブリッジの治療と違って、残っている他の歯を削ったり、装置をつけたりすることもありません。噛む力に対して失った歯の分もインプラントが負担してくれるため、残った歯を守ることができます。

他の治療法との違い

適応範囲
入れ歯
  • 噛む力が非常に低いため、食べにくいものが多い。
  • ガムやお餅など粘着性のあるものは非常に食べにくい。
  • 噛み合わせると痛みを感じることがある。
ブリッジ
  • 土台となる歯が残っている場合に限る
インプラント
  • ほぼすべてに適応される。
  • 全身状態、骨の量によってはできない場合がある。
他の歯への負担
入れ歯
  • バネをかけた歯に負担がかかってしまい、抜かなければいけなくなることがある。
ブリッジ
  • 土台となる歯を削らなくてはいけない。
  • さらに残った歯で失った歯の分を支えるため、噛む力に耐えられないことがある。
インプラント
  • 他の健康な歯を削る必要がないので他の歯に負担をかけない。
見た目の違和感
入れ歯
  • バネが見えると入れ歯と分かってしまう。
  • 口を開けると上の入れ歯が外れることがある。
ブリッジ
  • 見た目の違和感は少ないが保険だと銀歯になる。
  • セラミックを使用すればキレイな仕上がりになるがインプラントと同じく保険外になる。
インプラント
  • 見た目は本物の歯とほぼ変わらない。
噛み心地
入れ歯
  • 噛む力が非常に低いため、食べにくいものが多い。
  • ガムやお餅など粘着性のあるものは非常に食べにくい。
  • 噛み合わせると痛みを感じることがある。
ブリッジ
  • 支えになる歯に問題がなく、適切に作成されていれば本物の歯とそんなに変わらない。
インプラント
  • ほぼ本物の歯と同じ噛み心地。
味覚
入れ歯
  • 熱を感じにくいため、味を感じにくい。
  • 総入れ歯などでは全体的に歯茎が覆われているため、さらに味が感じにくい。
ブリッジ
  • 特に本物の歯と変わらない。
インプラント
  • 特に本物の歯と変わらない。
治療期間
入れ歯
  • 単純なものなら短期間で済む。
ブリッジ
  • 単純なものなら短期間で済む。
インプラント
  • 骨結合する期間が必要な為、単純な入れ歯やブリッジよりも治療期間がかかる。
治療後の問題点
入れ歯
  • 歯茎は柔らかく変化しやすいため、しばらくすると合わなくなることが多い。
  • その都度調整が必要。
ブリッジ
  • 削った歯がむし歯になってしまうとすべてやりなおさなくてはならない。
インプラント
  • 初期で骨結合すると非常に安定性がよく、歯周病に気を付ければとても長持ちする。
耐用年数
入れ歯
  • 約7~8年。
  • 歯茎がやせて合わなくなることが多い。
ブリッジ
  • 約7~8年。
  • 噛み合わせの負担により歯周病を引き起こすことがある。
インプラント
  • ケアができていれば30年以上もたせることができる。
  • が、歯周病に気を付ける必要がある。
費用
入れ歯
  • 保険適応のため、比較的安価。
  • 金属床、ノンクラスプデンチャーの場合は保険外に当たる。
ブリッジ
  • 保険適応のため、比較的安価。
  • セラミックの場合は保険外にあたる。
インプラント
  • 保険適応外。
  • 費用は他の治療に比べると高くなる。

インプラント治療の注意点

インプラント治療は外科手術であるため、治療を受けるには全身の健康状態が良好である必要があります。また、治療期間が他の治療法より長く、保険適用外のため治療費は高額になりがちです。

治療の条件は、治療予定の場所に骨がしっかりとあることです。骨が足りないとインプラントを埋め込むことができないためです。骨が足りない場合は、骨移植手術を受ける必要があります。

治療後についても、毎日のケアが不十分であったり、定期的なメンテナンスを受けていないことで、インプラント周囲炎になる恐れがあります。インプラント周囲炎は、自然に治ることはないため、歯科医院で適切な処置を受けることが必要です。炎症が進行している場合は、インプラントを摘出する必要があったり、インプラントが突然抜け落ちてしまうことがあります。

インプラント治療によってこれらのような問題が起きないよう、正確な診断と定期的なメンテナンスが必要です。良好な状態を維持する為に、インプラント部分に限らず大事なご自身の歯も含めて、ぜひメインテナンスを行ないましょう。